医師が海外留学を希望し、実際に海外(アメリカなど)で研究留学・臨床留学を行っている医師がいます。
海外留学ともなれば、医師や患者とも流暢に英語を話し論文も英文で仕上げなければなりません。
言葉の壁を乗り越えて、その先に見つかるものとは?

このページでは医師の海外留学事情をまとめています。
⇒海外留学で身につく具体的なスキルを解説

転職前に研究留学で見識を広める

医師が海外留学するのは2つのパターンがあります。
まずは研究目的で留学する「研究留学」。
このパターンは医学部の大学院に進み研究期間(4年間)を終えたあたりのタイミングで留学話が持ち上がる事が多いようです。

もちろん医師個人が研究留学するケースもありますが、この場合現地で就職するわけではないため生活費を稼ぐ事が出来ません。
奨学金も受けられない状況ではまとまった資金が必要となります。
かなり裕福な医師でないと2~3年のまとまった期間、留学する事は出来ないでしょう。

海外(主にアメリカ)は研究のための環境が非常に整っており、研究に必要な雑用等は専門の職員(テクニシャン)が全て代行してくれるので研究に没頭できるのがメリット。
研究留学の留学先としてはハーバード大学、カリフォルニア大学、マサチューセッツ大学など、名のある大学があげられます。

英語で論文を書く経験も多く積めるので、確実なキャリアアップ、スキルアップに繋がります。
⇒研修留学に必要な条件とは?

なにかとハードルが多い臨床留学

もうひとつのパターンが「臨床留学」です。
日本で医師免許を取得しても、アメリカやイギリスでそのまま通用するわけではありません。
医師として海外で活躍したいなら、まずはその国の医師免許を取得する事です。

アメリカの場合、外国の医師はアメリカで1~2年間臨床研修を積まなければ医師免許を取得する事ができません。
臨床研修のためには言葉の壁を乗り越える必要があります。
日常的な会話はもちろん、医学用語もしっかり理解出来なければ仕事になるはずもなく、かなりの勉強を必要とします。
(アメリカの医師免許USMLE:http://www.usmle.org

また臨床研修を行うには既定の試験に合格しなければならないので、外国人医師が誰でもアメリカの医師免許を取得出来るわけではないのです。
臨床留学のためにアメリカにやってきても、臨床研修さえ受けられずに帰国……ということもないわけではありません。

さらにアメリカで医師免許を取得してもしっかりした医療機関に就職できる保証もなく、研究留学よりもハードルが高く厳しいのが現実です。
⇒臨床留学に行くための条件を解説

留学支援制度のある医療機関を選ぶ

最近の日本の医師は海外留学を好まない傾向にあるそうです。
これは日本の医療レベルが高い事の証拠にもなっていますが、狭い日本を飛び出して海外で経験を積む事は決して無駄ではありません。

もし本気で海外留学を目指すのであれば、留学支援制度を採用する医療機関を目指して転職する事です。
医師を積極的に留学させてくれる医療機関なら、お金の心配や留学受け入れ先の心配をする必要がありません。
⇒留学にかかるお金はどれくらい?

「でも、どの医療機関が海外留学に積極的なのだろうか?」と疑問をもつのが当然だと思います。
その場合、日本の医師専門の転職支援サイトで、留学支援制度のある医療機関情報を得るのがお勧めです。
医師求人を調査するためにも積極的に利用したいサービスです。

海外留学の経験は出世・昇進に影響しますか?
留学先での実績が評価されることがあります

出世や昇進に関しては、留学経験そのものが影響することはありません。
しかし、留学先で何を学んだか、どのような論文を発表したか、そしてその経験を日本の医療現場にフィードバックすることでご自身のキャリアを進展させることができます。

国内でも力をつけることはもちろん可能ですが、海外留学ならではのアドバンテージとして、語学力を始め、最先端の医療技術やその国独自の医療への考え方も学ぶことができ、長い目で見て得られるものは大きいです。
一方で、国内の病院での経験や人脈の有無も重要なファクターなので、両者のバランスをうまく見極めることが大切です。

最先端の医療を学ぶにはどの国がベストですか?
ご自身の専攻する科目によって変わってきます

最先端医療というと、アメリカやドイツがパッと思いつきやすいですが、国によって特に需要の大きい分野が違ってくることも意識しておくべきです。
例えば、アメリカ人医師の年収は循環器系や整形外科が最も高く、中国であれば心臓外科や神経系の分野が年収が高くなっています。

もしご自身の専攻の道を極めたいとお考えなら、単に医療技術の水準が高い国を選ぶよりも、どの科目が強いのかも細かく事前に調査しておくことで、留学の成果を最大限に高めることができるでしょう。

留学するためにはどの程度の英語力があればいいですか?
最低限の英会話能力と、医療分野の専門用語を勉強しましょう

どの国に留学するかにもよりますが、現地での会話はすべて英語で行われます。
したがって日本にいるうちから、スカイプやオンライン英会話サービス等で、少しでも英語での会話に慣れておく必要があります。

また、語彙力や文法などの知識については、例えば日本でメジャーな英語力の指標としてTOEICやTOEFLがありますが、TOEICについてはビジネスシーンに特化した試験なので個別に学習する意味はあまりありません。
もう一方のTOEFLは学術的な英語能力を問う試験ですが、医療に関してはやはり内容が浅いため役に立つとは言いづらいです。
地道なやり方にはなりますが、医療に関する専門用語、特にご自身の専攻する分野の用語を一から暗記していくのが最も効率の良い勉強法と言えます。